「腰が痛い」と多くの人が言ったことがあるのではないでしょうか。
それもそのはず、腰痛は日本人に最も多い症状で(有訴率第1位)、8割以上が経験するといわれています。日頃診療をしていても、非常に多くの人が腰痛で受診します。年齢層でみると、青年期はスポーツに伴うもの、壮年期は仕事に伴うもの、中・高年期は加齢に伴うものが多い傾向があります。
腰痛といっても原因はさまざまで、加齢によるもの(変形性脊椎症・骨粗しょう症)、急性腰痛(ぎっくり腰)、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症(変形により神経を圧迫する)など骨、筋肉、神経に由来するものもあれば、尿路結石など内臓から来る腰痛もあります。また腰痛だけではなく、下肢の痛みやしびれを伴うことがあります。
治療方法は原因によって違いますが、一般的(内臓疾患を除く)には安静(過度の作業や運動を控える)、飲み薬や湿布などの薬物治療、リハビリテーション、コルセットを使用する装具療法などがあり、それでも改善が見られない場合には手術を行うこともあります。また腰痛の予防・改善に腰痛体操があります。腹筋や背筋が弱いと姿勢が悪くなり、腰痛の原因になります。腹筋・背筋を鍛え、ストレッチを行うことで腰痛を予防できます。
腰痛がひどい時や、病気によっては腰痛体操が行えない場合もあるので、治療には原因の究明が重要です。身近な症状のため、放置されてしまうこともあります。腰痛で困っている人は、近くの病院で相談してください。
鯵坂医院 鯵坂桂
