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健康豆知識

子宮頸(けい)がん

 子宮がんには、胎児が育つ子宮の奥 (体部) にできる子宮体がんと、子宮の入口 (頸部) にできる子宮頸がんの2種類があります。これら二つのがんは発症原因も主な発症年齢なども全く異なります。

 子宮体がんは女性ホルモンが関与するのに対し、子宮頸がんは、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV) によって起こるため、性体験のある女性なら誰でもかかる可能性があると言えます。

 HPV感染は基本的には風邪にかかるのと同じような感染症であり、ごく一部の人にがんへの変化が生じます。また発症年齢も、子宮体がんは80%が閉経後の50歳以降であるのに対し、子宮頸がんは30〜40歳代が多く、前がん病変と早期がんは20〜30歳代が多くなっています。近年急増している子宮頸がんは、これから結婚・出産を迎える年代にとって特に深刻です。

 子宮頸がん発症原因が発がん性HPVであることが解明され、予防ワクチンが開発されました。予防ワクチンの接種によってHPVの感染をおよそ70%予防できます。またワクチン接種と併せて、早期発見のために定期的に子宮頸がん検診を受けることが重要です。ハイリスクHPV感染が長期間続き、子宮頸部の異形成ががん化するまで、数年から十数年かかります。そのため定期的な子宮頸がん検診により、前がん病変やごく初期の段階での発見ができれば、その後の妊娠や出産が可能です。

 子宮頸がんは、検診とワクチンで予防できるがんです。これからはワクチンでHPV感染を防ぎ、定期検診により前がん状態で見つけて子宮温存する時代です。欧米に比べて日本の定期検診の受診率は特に低く、20歳代で5%未満です。最新の検査方法は、細胞の異常変化を調べる細胞診検査とHPV検査を同時に行う併用検査によって、正確な検査結果が得られます

ひらしま産婦人科


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