現在、わが国のがんによる死亡者数は年間30万人を超え、死亡原因の第1位を占めるようになりました。しかし診断と治療の進歩によって、一部のがんは早期発見・治療が可能となってきました。がん検診はこうした医療技術に基づき、がんの死亡率を減少することができる最も確実な方法です。
がん検診は、単に多くのがんを見つけることが目的ではありません。無症状のうちにがんを早期に発見し、治療することが大切です。無症状の人は症状がある人に比べて進行したがんが少なく、より早期にがんを発見することができます。そして発見されたがんを治療することにより、がんによる死亡を減らすことができます。現在わが国で行われているがん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、肝がん、乳がん、子宮頸(けい)がん、前立腺がんなどがあります。がん検診とは、一見健康に見える人を、異常あり・なしに判定し、異常ありの人に精密検査を行い、救命できるがんを発見することを目的としています。
がん検診を受けて異常がない場合は、定期的に次回の検診を受診してください。精密検査が必要と判断された場合には、医療機関で精密検査を行うことが必要です。精密検査を行って、異常なし、または良性の病変であったときは、次回の検診へ、がんと判定された場合は、速やかに治療に進むことになります。途中で精密検査や治療を受けない場合は、がん検診の意味がなくなってしまいます。自己判断をせず検診結果の指示や医師の指示に従うようにしましょう。
上尾中央総合病院