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健康豆知識

子宮頸がんワクチン

 子宮がんには、子宮頸(けい)がんと子宮体がんがあります。子宮体がんは、女性ホルモンが影響しますが、子宮頸がんの大部分は、HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で性行為によって感染します。

 性行為の経験がある女性なら誰でも感染する可能性がありますが、感染してもほとんどの場合は自然に排せつされます。長期間感染が続くと子宮頸がんを発症します。

 HPVには100種類以上のタイプがあり、そのうち約15タイプが子宮頸がん関連HPVです。そのうちHPV16型と18型ががんとの関連が特に強く、子宮頸がんの原因の70パーセントを占めます。一般的には自然感染を繰り返すとウイル スに対する抗体ができますが、HPV感染ではほとんどできません。

 そこで、両者を予防する型の「子宮頸がんワクチン」が作られました。このワクチンは、ウイルスDNAを持たない(感染性のない)人工ウイルス粒子を抗原とし、これを接種すると自然抗体の数十倍の抗体を得ることができます。

 HPVは性行為以外では感染しませんので、このワクチンを接種すれば、HPV16・18型の感染はほぼ100パーセント予防できます。

 しかし、このワクチンは既感染者に対する予防効果は全くないので、HPVに感染していない初性交前に接種することが最も効果的です。

 HPV16・18型以外にも10種類以上のタイプのHPVが、子宮頸がんの原因と考えられています。「子宮頸がんワクチン」を接種しても、16・18型以外の子宮頸がんは発症します。むろん近年増加している子宮体がんには全く無効ですので、子宮がん検診は必ず受診しましょう。

ひらしま産婦人科 平嶋昇


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