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健康豆知識

うつ病

 最近、テレビや新聞などでうつ病という言葉を耳にする機会が増えてきています。しかしうつ病と聞いて実際はどんな病気なのか、ピンとくる人は少ないのではないでしょうか。仕事や学業で失敗してしまったときや、不幸な出来事があった後など、落ち込んだり、気分がふさいだり、やる気がなくなってしまったりすることは誰でも経験することです。実はそれは普通の反応なのです。うつ病というのはそれが少し普通より強く出る病気、と考えている人が多いと思います。そのことは半分は正解ですが、実は半分は不正解です。

 もし何か出来事が起きてから、ゆううつな気分や落ち込みが非常に強く現れても、2週間も過ぎれば少し弱まります。気を取り直して元の生活に戻ろうと、前向きな気持ちが少しでも出てくれば、それほどうつ病を心配することはありません。しかし出来事が起きた後、気分が優れない、何となくやる気がしないということが、1〜3ヵ月も続いていたら、それが弱いものでも、生活や仕事、学業に支障が出てつらく感じてしまうでしょう。うつ病は、症状の強さよりも、症状の持続が数ヵ月にわたって長く続くものと考えてください。

 うつ病には気分の落ち込みの他に、非常に多く現れる症状として睡眠の異常があります。夜の寝付きが悪くなり、朝も早く目が覚めてしまって眠れなくなることが多いのですが、逆に普段より寝ている時間が増えてしまう人も少なからずいます。また過去のことを考えてくよくよとこだわり、答えの出ない自問自答を頭の中で繰り返すことで、余計に眠れなくなることもあります。

 これらの症状が長く続くようなら、近くの専門の医療機関を受診してください。うつ病は治療で良くなる病気です。決して一人で悩むことがないようにしてください。

武蔵野病院 綱島浩一


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