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健康豆知識

慢性腎臓病(CKD)

 腎臓は、握りこぶしぐらいの大きさで、背中に近いところに左右に1個ずつある臓器です。主な働きは、血液をろ過して尿をつくり老廃物を体の外に排出することですが、それだけでなく、血圧を調節したり、赤血球造血ホルモンを分泌することで貧血を防いだり、さまざまな電解質のバランスを調節したりして、私たちの体を正常に保つ重要な役割を担っています。


 尿たんぱくなどの尿の異常や、腎臓の働きの低下が3カ月以上続いている状態を「慢性腎臓病」と言います。10年ほど前に提唱された概念で、まだ一般的に認知度は低いようですが、わが国の慢性腎臓病の患者数は1,300万人(成人の8人に1人)と推計されており、"新たな国民病"とも言われています。


 慢性腎臓病は初期には自覚症状がほとんどありません。進行すると、腎臓が機能を果たせなくなる「腎不全」の状態に陥り、人工的に腎臓の代わりをしてもらう透析療法などの治療が必要になり、日常生活にも支障を来すことになります。また慢性腎臓病の患者は、脳卒中や狭心症、心筋梗塞といった心血管疾患にかかりやすく、それらによる死亡の危険性も高いことが分かってきました。


 慢性腎臓病を早期発見するためにも、健康診断や人間ドックなどは毎年必ず受診しましょう。尿検査(尿たんぱく)と血液検査(クレアチニン値など)の項目に特に注意してください。塩分を控える・食べ過ぎない・適度な運動(肥満防止)・禁煙などで生活習慣病の予防を心掛けることは、慢性腎臓病の発症の予防や進行を抑制するのにとても重要です。

 

上尾中央総合病院


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