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健康豆知識

インフルエンザと高齢者の肺炎球菌

 冬になると空気が乾燥し、鼻やのどの粘膜が荒れた状態になるため、風邪にかかりやすくなります。風邪は主にウイルス性の上気道炎のことですが、症状の強いインフルエンザウイルスには注意が必要です。また風邪をこじらせて細菌性の気管支炎や肺炎を起こすこともあります。この場合、肺炎球菌が原因になると症状が重く命に関わる危険性が高くなります。インフルエンザと肺炎球菌は予防ワクチンがあるので、冬場に備えて予防接種を受けておくと良いでしょう。

 インフルエンザは急に高熱や関節痛が現れ、咳や鼻水などの症状を伴うのが特徴です。ウイルスに接触した場合、@体の中に入り込む「感染」A熱などが出る「発症」B症状が強くなり肺炎や脳炎に進む「重症化」の三段階で進行します。ワクチンでは感染は予防できませんが、重症化を予防することができます。また症状が重い人が増えると、周囲にウイルスが撒き散らされ、大流行の原因になるので、予防接種はなるべく受けるようにしましょう。なおワクチンの効果は1〜2週間後に現れ、約5カ月間持続しますので、12月上旬頃までに受けておくことをお勧めします。

 肺炎球菌は、免疫力の低い小児と高齢者で注意が必要な細菌です。90種類以上のタイプに分けられますが、高齢者ではこのうち23種類をカバーするワクチンを使用します。効果が徐々に落ちるため、5年以上経過したら再接種することが推奨されています。

 肺炎は日本人の死因として、がん、心疾患に次いで3番目に多くなっています。特に重症化しやすい肺炎球菌は、ワクチンでしっかり予防しましょう。

 

(平成26年11月)あげお第一診療所 関根威


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