慢性腎臓病の予防に大切なことは、早期発見、生活習慣の見直し、適切な治療の継続の三つです。自覚症状があまりないため、気が付いたら腎臓がボロボロ、という人は意外と多いのです。腎臓は一度悪くなると元に戻らない臓器です。時間をかけて進んでしまった腎機能の低下には、現代の医学でも治療法がありません。最終的には週3回の血液透析をずっと続けるしか方法がなくなってしまいます。そのため、悪くなる前に対策を立てなければなりません。また腎臓が悪くなると、心筋梗塞・脳卒中・がんといった怖い病気にかかりやすくなります。慢性腎臓病は、予防と早期治療が極めて重要なのです。
では、腎臓を悪くしないためには、何に気を付けたらよいのでしょう?腎臓は血液から尿を作り、体のバランスを整える臓器で、主に血管からできていますので「血管を守る」ように気を付けます。喫煙・高血圧・糖尿病など、血管のダメージになる病気や習慣は、腎臓をどんどん痛めつけてしまいます。禁煙・減塩の他、食事・運動療法を心掛けましょう。また、「血管を守る」には血圧の管理も必要です。日々の血圧を測定し、適切な薬を継続して飲みましょう。
腎臓の病気を予防するために、健康診断は毎年きちんと受診しましょう。もし腎臓が悪いと言われたら、生活習慣を見直し、継続的に医療機関を受診することが大切です。慢性腎臓病は、今は症状がなくとも、年齢とともに悪化しやすい病気です。お困りの際は、お近くの医療機関にご相談ください。
(平成27年9月)あげお第一診療所