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健康豆知識

高齢者の難聴〜老人性難聴と補聴器の選択〜

 加齢に伴う聴力低下は50歳後半から起こります。高齢になり耳の聞こえが悪くなると、「音は聞こえるが、何を言っているのか分からない」「うるさいところで聞き取れない」など、疎外感を感じて引きこもりがちになる場合もあります。



 老人性難聴は薬や手術で治すことはできず、日常生活に困る場合には補聴器が必要です。「補聴器を付けると難聴が進行するのではないか」とか「ピーピー音がして使えない」と言う人がいますが、補聴器を専門にしている耳鼻科医の診察を受けて正しく使えば、全く心配はありません。



 一口に補聴器といっても、メーカーや形、値段はさまざまです。形は、耳に掛けるタイプや耳の穴にすっぽり収まるタイプが多く出回っています。機能としては、周囲の雑音を抑制する物、マイクの方向を調整する物、音の強調を細かく調整できる物、音の大きさをリモコンで調整できる物などがあります。小さくて性能が良い物ほど高価格になり、片耳で10〜40万円と幅がありますが、必ずしも高価な物が良く聞こえるのではなく、聴力レベルや使う環境などによって選ぶ必要があります。使用に際しては定期的な耳の診察や聴力検査、補聴器の点検が必要です。「補聴器は恥ずかしい」と考える人もいますが、目立たない物やおしゃれな色もあります。購入するときは実際に試してみて、何度か調整を受けることが重要です。



 聴力障害の程度によっては補聴器購入に際して補助が受けられる場合もありますので、最寄りの耳鼻科医に相談してください。

 

(平成27年12月)上尾中央総合病院 原睦子


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