乳がんは乳房を形成する乳腺から発生し、進行すれば全身に転移します。現在、日本の女性で乳がんになる人は欧米に比べると少ないものの増加傾向にあり、12人に1人が乳がんになり、女性が罹り患かんするがんの部位では第1位となりました。発症は40〜50歳代に一番多く、30歳代にも増えてきています。乳がんは他のがんに比べて、若い世代がかかるということが社会的にも問題です。
日本人女性の乳がんが増加している原因は一つではなく、女性の出産年齢の高齢化、出産の機会の減少、脂肪摂取の増加や肥満などさまざまな原因が女性の体のホルモン環境に影響を与えた結果、乳がんが増えていると考えられています。
乳がんは早期で発見されれば、90l以上は治る病気だといわれています。しかし乳がんの早期の段階では自覚症状がほとんどないため、検査を行わないと確認できません。マンモグラフィーは、手では触れないような小さなしこりも発見することができます。早期発見のためにも40歳になったら定期的に乳がん検診を受けましょう。
また乳がんの自己検診も大切です。乳がんは、自分で発見することができるがんです。月1回程度の自己検診は、乳がん検診の機会がない若い人にもお勧めの方法です。自己検診の方法は乳房を鏡に映し、左右の乳房のひきつれやくぼみ、ただれがないかをチェックします。次に指をそろえて、指の腹で「の」の字を書くように動かして、乳房全体と脇の下をしこりがないか触ります。最後に乳首を軽くつまみ、分泌物が出ないか調べます。もし気になる症状があれば、検診を待たず乳腺外来のある医療機関を受診しましょう。
(平成29年4月)