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健康豆知識

頭痛

 「頭が痛い」といってもその原因やタイプはいろいろあります。風邪や二日酔いの頭痛、長い間定期的に悩まされている片頭痛などの慢性の頭痛は生命には別条ありませんが、日常生活に支障が出るなどの困った痛みです。


 いわゆる「頭痛持ち」は日本人の3〜4人に1人とみられていますが、その9割が生命に別条のない慢性頭痛であるとの報告もあります。慢性頭痛の中でも一番頻度の多いのが緊張型頭痛で、「締め付けられるような痛み」が首から後頭部にかけて起こり、デスクワーク、パソコン、目の疲れ、ストレスなどが引き金となります。次いで片頭痛は、ズキンズキンと拍動性の頭痛が頭の片側(時に両側)に起こります。痛みの原因は血管の炎症で血管が拡張するためと考えられています。女性に多く、1カ月に1〜2回、数時間から3日くらい続きます。さらに群発頭痛は、頻度は少ないのですが「目の奥がえぐられる」ような痛みで心筋梗塞、尿路結石と並んで三大痛の一つです。


 一方、生命に危険を及ぼす頭痛もあります。突然生じる強烈な痛みや徐々に進行増悪する頭痛、手足のしびれや脱力、言葉のもつれ、発熱を伴った頭痛など「今までに経験した事のない頭痛」の時には、次のような病気が隠れている場合があります。直ちに、救急車で脳神経外科の受診を勧めます。くも膜下出血/突然「ハンマーで頭を叩かれた」ような痛みに襲われた後に吐き気、嘔吐、意識障害などが起こります。脳出血/血圧が高い人に多く、頭痛に続いて手足の麻痺、言葉のもつれ、めまい、嘔吐などを伴います。脳腫瘍/腫瘍の発育につれて、頭痛もだんだんと強くなり、腫瘍のできた場所により手足のまひ、しびれ、視野・視力障害などが起こります。髄膜炎/細菌やウイルスが髄膜に感染して、高熱と共に拍動性の厳しい頭痛を起こし首の後ろが突張って固くなる特徴があります。慢性硬膜下血腫/高齢者で覚えのないような軽い頭の外傷後、2〜3カ月経って物忘れ、尿失禁、ぼんやりとして認知症と間違われる事もあります。

(令和2年6月)江原医院 江原一也


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