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健康豆知識

マスク着用中の水分補給

新型コロナウイルス感染症が世界的に広がったことにより、生活様式に変化がもたらされ、多くの人が日常的にマスクを着用するようになりました。マスクは保湿効果があるため、のどの渇きが感じられなくなったり、着脱の面倒さから水分補給の回数が減ったり、また外出機会の減少により水分を蓄える役割を担っている筋肉量が減少したりすることなどにより脱水が起こりやすい状況になっています。

脱水とは水分と塩分が同時に失われた状態です。初期のサインとして手の冷感、微熱、口渇(こうかつ)、体重減少、尿・発汗の減少、皮膚の弾力性低下が認められます。さらに神経症状として、めまい、立ち眩み、頭痛、意識消失、けいれん、脳梗塞など、消化器症状として、食欲低下、悪心嘔吐、下痢、便秘など、筋肉症状として、筋肉痛、しびれ、こむら返りなどを起こします。特に子どもと高齢者は脱水症になりやすいので注意が必要です。子どもは不感蒸泄(ふかんじょうせつ)(皮膚や呼吸から失われる水分)が多いこと、高齢者はのどの渇きに気づきにくいことや、体液をためる筋肉量が少ないことが原因です。

脱水の予防策として、1時間にコップ1杯程度の水を飲むこと(1日1.2リットル以上の水分補給が必要)を心掛けましょう。また、加湿器などを使い、皮膚からの不感蒸泄を減らすことも重要です。さらに、屋外で人と十分な距離(少なくとも2メートル以上)が確保できる場合はマスクを外すようにしましょう。通常の水分補給には一般のスポーツドリンクなどを摂取します。軽度から中等度の脱水状態では経口補水液などを摂取することにより、失われた水分と塩分の両方を補うようにします。重度では医療機関を受診し、点滴などの処置が必要になります。子どもや高齢者と行動するときには私たちが注意を払うことが必要です。

 

 (令和4年8月) 榎本クリニック 榎本信行


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