トップ > 健康豆知識 > 高齢者の肺炎が増えているってほんとうですか?
| 高齢者の肺炎が増えているって本当? | 何が原因で起こるんですか? | やはり高熱がでるんですか? |
| 高肺炎を防ぐためのポイントは? |
はい、残念ながらそうなんです。
かつて日本人の死因の第1位だった肺炎は、戦後に抗生物質が登場すると死亡者数が急激に低下し、第4位になりました。ところが1980年以降、再び増加しつつあります。特に高齢者の肺炎が急増しているのが特徴です。
高齢者によく起こる肺炎の大部分は、「誤嚥(ごえん)性肺炎」と呼ばれるものです。これは、本来食道を通って胃に入るはずの食べ物の一部や、唾、痰などが間違って気管に入り込み、その結果、病原菌もいっしょに肺に入ってしまうことで起こります。
誤嚥性肺炎は主に脳梗塞や脳出血などにより、脳の働きが低下することによって起こります。私達のからだは間違って異物が気道に入ってくるとそれを咳によって排除するのですが、脳の働きが低下すると咳の働きも低下します。
ふつう、肺炎というと高熱が出るというイメージがありますね。ところが高齢者の場合はそのような症状が現れにくくなり、そのために発見が遅くなってしまうので、逆にやっかいです。
高齢者で「食欲がない」「元気がない」「全身がだるい」といった症状がある場合には、軽く考えずに、まず「肺炎」を疑って、医師の診察を受けることがすすめられます。
高齢者の肺炎を防ぐためには、間違って気管に異物が入ってしまう「誤嚥」を防ぐ必要がありまもそのためには、次のようなことに気をつけましょう。
●口の中を清潔に
口の中は雑菌が繁殖しやすいので、常に清潔にしておくことが大切です。就寝前は口の中をすすぎ、ブラッシングをしましょう。
●食後2時間は体を起こしたままで
体を起こして食事をし、その後も2時間程度は寝たりしないで起こしたままでいましょう。
●ときには唐辛子などの辛い食べ物を
辛い食べ物はのどを刺激し、のどや気管の機能を改善する効果が認められています。食事の中に、ときには唐辛子などの辛いものを入れることも良いでしょう。
●適度な運動を
散歩などの運動は、心身機能や脳の活動を高めます。
●脳梗塞の再発予防
脳梗塞は再発しやすいため、−度脳梗塞を起こした人は、医師の指示をまもって再発予防のための治療を、正しく続けることが大切です。またはっきりとした脳梗塞を起こしたことがなくてもかくれた脳梗塞(無症候性脳梗塞)を起こしている場合もあります。肺炎を起こしやすい高齢者では脳の検診を行うことがすすめられます。